慢性腎不全で障害基礎年金2級が認められたケース
女性(40代/無職)
傷病名:腎不全
決定した年金種類と等級:障害基礎年金2級
決定した年金額:781.700円
相談者のお困りごと・面談時の状況
20年以上前に糖尿病を発症以後、治療を続けてこられました。
しかし、息切れ、視力の低下等の体調不良を自覚することが年々増え、病状は悪化の一途をたどっていました。加えて、5年ほど前からは、腎機能の低下を指摘されるようになり、数値の悪さから、主治医に大きな病院での治療を薦められました。
総合病院へ転院後は、通院と自宅での療養を続けていましたが、昨年、急激に病状が悪化、人工透析が必要になってしまいました。現在は週3回の人工透析を受けておられ、この生活がずっと続くのかと、ご家族もご本人も大変困っておられました。
社労士による見解アドバイス
今回のケースでは、まず弊センターの職員が病院へ足を運び、ケースワーカーさんに診断書の追記依頼を行いましたが、「追記が可能なのか、いつ回答を頂けるのかは”医師次第”」の一点張りで、結局1ヶ月以上病院からの回答を待つことになりました。
その間もご本人の体調は悪化の一途を辿り、見かねたご家族が医師に直接進捗状況をお尋ねすると、医師は診断書の追記依頼のことをご存知ない様子だったそうです(結局、医師に直接お話しした翌日に診断書が出来上がってきました)。
総合病院等大きな病院の場合、多くの職員の方が働いており、業務内容も多岐にわたります。書類の作成にあまりにも時間がかかっていたり、進捗状況に不安がある場合には、病院内の別部門に相談してみることも必要であると感じました。
受任までに行ったこと
この方の受診歴は、
A総合病院(糖尿病の初診)→近所のBクリニック→(現在)A総合病院という流れで、
相談日現在は初診のA総合病院に戻って治療をされていました。
障害年金の審査において「糖尿病」と「糖尿病性腎症」は”相当因果関係あり”と認定されるため、「糖尿病の初診日」がこの方の初診日となります。また、初診の病院=診断書作成病院であれば、「受診状況等証明書」の提出を省略することができるため、A綜合病院にて診断書を作成してもらい、受診状況等証明書は作成不要という計画で、申請準備を開始しました。
ところが出来上がった診断書には、一番初めのA病院受診に関する記載が一切なく、Bクリニックが初診であるように作成されていました。ケースワーカーさんに確認したところ、「”腎不全”の初診日はBクリニックと主治医が判断しました」とのことでした。病院を訪問し、「”障害年金上の初診日がどこか”については、主治医ではなく日本年金機構が判断するので、診断書には受診の事実を正確に記載してほしい」とお願いしました。その後、一ヵ月以上時間はかかりましたが無事に受診歴を追記して頂くことが出来、事後重症で請求を行いました。
結果
障害基礎年金2級の受給が決定しました。