両側変形性股関節症により障害厚生年金3級が認められたケース
女性(50代/就労中)
傷病名:両側変形性股関節症
決定した年金種類と等級:障害厚生年金3級
受給金額:年額585,700円
相談者のお困りごと・面談時の状況
長岡まちゼミで障害年金の講義を聞いて下さり、その後個別相談にいらっゃいました。
数年前に人工股関節の置換をされ、ご自身で障害年金を申請されたのですが、「初診日が特定できない」という理由で不支給になってしまったそうです。
まちゼミで、社労士に代行を依頼するという選択肢があったことを初めて知り、何とかならないものかとご相談いただきました。
社労士による見解アドバイス
この方はご自身で申請された際、社労士の存在も、「社会的治癒」の考え方もご存知なかったそうです。
障害年金の申請でお困りの方、ご不安な方には、社労士に代行を依頼する、という選択肢があることを、ぜひ知って頂きたいと思います。
また、障害年金の申請を行う上で、必ずご認識いただきたいのは、「ただ書類を提出する、ただ主張する、というだけではなく、必要な事柄をきちんと証明する必要がある」ということです。
「(誰かから)あなたは障害年金がもらえると言われて申請したら、不支給になってしまいました。
いつを初診日として申請したか、どんな内容の診断書を提出したかはわかりません。提出するように言われた書類を出しただけなので・・・。」というようなお話を非常に多く伺います。
せっかく受給する権利があっても、提出した書類同士で整合性が取れていなかったり、初診日や障害の状態が書類からは読み取れなかったり、そもそも何を証明したいのか不明であったりして、受給までに時間がかかってしまったり、最悪不支給になってしまうケースも存在します。
申請者様ご自身が正しい知識を持って準備を進める必要があること、困難な場合には社労士に代行する選択肢があること、ぜひ覚えておいて頂きたいと思います。
受任までに行ったこと
この方はご自身で申請された際、股関節に痛みを感じて近所の整形外科を受診した日(40才頃)を初診日として申請されたそうです。
しかし、先天性股関節脱臼により、20才時に2回程別の病院を受診し、障害者手帳を取得していることから、日本年金機構より「20才時の受診証明を提出するように」と求められました。
ただ当時のカルテは既に破棄されており、受診日が証明できないため、不支給になってしまったとのことでした。
詳しくお話を伺うと、20才頃に2回だけ病院を受診したことは事実ですが、その後約20年間は一切病院を受診せず、普通に就労し、余暇にスキーや登山を楽しむなどして何不自由なく過ごしていらっしゃったとのこと。
このことから我々は、20~40才までの約20年間は「社会的治癒」があったと考えるのが妥当であると判断しました。
そこで、社会的治癒があったことの証明として、スキーや登山、ボーリング等を楽しんでいる当時の写真を添付し、書く提出書類の整合性を細かく確認したうえで、あくまでも40才頃の受診を初診日として、申請を行いました。
結果
障害厚生年金3級の受給が決定しました。