人工透析で障害年金を受給するための3つのポイント
こんにちは、あすか中央社会保険労務士法人の佐藤洋司です。
今回は人工透析治療中の方へ、障害年金を受給するための3つのポイントをお伝えします。
障害年金の申請についてお悩みの方は、ぜひご一読ください。
障害年金を受給するための3つのポイント
➀「人工透析に至る原因となった傷病について、初めて病院を受診した日(=初診日)」を証明できること
障害年金を受給するためには、原則として、 初診日に受診した医療機関で「受診状況等証明書」を作成してもらい、自ら初診日を証明する必要があります。
ここでのポイントは、初診日=必ずしも「腎臓に異変が見つかった日」、「腎臓病を指摘された日」とは限らない、ということです。
例えば、“糖尿病性腎症(腎不全)”が原因で人工透析を実施されている方は、「糖尿病により初めて病院を受診した日」が初診日となります。
“糖尿病がなければ腎不全にはなっていない”という相当因果関係が明らかだからです。
このようなケースでは、「初診日が10年以上前になる」ということも珍しくなく、初診日の証明が困難な場合があります(このような方は、自己判断で諦めず、一度我々専門家にご相談ください)。
➁障害状態が障害等級に該当していること
人工透析を行っている方は、原則2級に認定されます。
主要症状や人工透析療法施行中の検査成績、長期透析による合併症の有無とその程度、具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定されることもあります。
➂初診日の前日において、保険料の納付要件を満たしていること
原則
初診日の前日において、初診日がある月の2カ月前までの被保険者期間で、 年金の保険料納付済期間と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること。
特例(初診日が令和8年3月末日までにあるとき)
次のすべての条件に該当すれば、納付要件を満たすものとされています。
・初診日において65歳未満であること
・初診日の前日において、初診日がある月の2カ月前までの直近1年間に保険料の未納期間がないこと
当事務所での人工透析の受給事例
慢性腎不全で障害基礎年金2級が認められたケース
女性(40代/無職)
傷病名:腎不全
決定した年金種類と等級:障害基礎年金2級
決定した年金額:781,700円
相談時の状況
20年以上前に糖尿病を発症以後、治療を続けてこられました。
しかし、息切れ、視力の低下等の体調不良を自覚することが年々増え、病状は悪化の一途をたどっていました。加えて、5年ほど前からは、腎機能の低下を指摘されるようになり、数値の悪さから、主治医に大きな病院での治療を薦められました。
総合病院へ転院後は、通院と自宅での療養を続けていましたが、昨年、急激に病状が悪化、人工透析が必要になってしまいました。現在は週3回の人工透析を受けておられ、この生活がずっと続くのかと、ご家族もご本人も大変困っておられました。
受任してから申請までに行ったこと
この方の受診歴は、
A総合病院(糖尿病の初診)→近所のBクリニック→(現在)A総合病院という流れで、
相談日現在は初診のA総合病院に戻って治療をされていました。
障害年金の審査において「糖尿病」と「糖尿病性腎症」は”相当因果関係あり”と認定されるため、「糖尿病の初診日」がこの方の初診日となります。
また、初診の病院=診断書作成病院であれば、「受診状況等証明書」の提出を省略することができるため、A綜合病院にて診断書を作成してもらい、受診状況等証明書は作成不要という計画で、申請準備を開始しました。
ところが出来上がった診断書には、一番初めのA病院受診に関する記載が一切なく、Bクリニックが初診であるように作成されていました。
ケースワーカーさんに確認したところ、「”腎不全”の初診日はBクリニックと主治医が判断しました」とのことでした。病院を訪問し、「”障害年金上の初診日がどこか”については、主治医ではなく日本年金機構が判断するので、診断書には受診の事実を正確に記載してほしい」とお願いしました。
その後、一ヵ月以上時間はかかりましたが無事に受診歴を追記して頂くことが出来、事後重症で請求を行いました。
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下記の項目を最初にお聞きいたしますのでご用意いただけますよう、お願いいたします。
【必須項目】
①お名前、②生年月日(年齢)、③電話番号、④住所
【ご自身でわかる場合】
⑤初診日(医療機関に初めて受診した日)、 ⑥加入年金制度の種類と加入状況、⑦傷病名(診断傷病名)